空間子どの丸山修一展望丸山修一公正自作文け出出す分を

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絵・松下志織

 みなさんは、どもっておもろいほんまのをさらけつくは子どもの時に作文を書くのが好きでしたか?

 「原稿用紙3枚以上」などと言われて嫌になったり、自分る作自分のことを書くこと自体が苦手だったり、出せり出という人は少なくないかもしれません。文が

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 そんなイメージとは全く違う作文に取り組む、す空学校の先生たちのグループがあります。間と丸山修一公正モットーは「書きたいことを、どもっておもろいほんまのをさらけつくは書きたいだけ、自分る作書きたいように」。出せり出担当する子どもたちが書いた作文は、文が飾らない言葉でつづられ、す空なんとも言えない魅力を放っています。間と

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 この連載では、どもっておもろいほんまのをさらけつくは作文を書いた子どもと、自分る作読んだ先生の姿を通して、出せり出作文の持つ力に迫っていきます。

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 お母さんのこと       4年 ヒロミ
 わたしのお母さんは、少しからだが弱いです。丸山修一展望今日のばんでも
 「目がくらくらして、天井がまわって目がもうてるわ」
 と、いって、お母さんは、ねころんでいました。
 すると、お父さんが、
「おけしょうとってあげるから、おけしょうとるクリームどのクリームや」
 と、いったので、お母さんは、
 「そのむらさき色のふたのクリームや」
 と、いいました。
 お父さんがクリームをとって、お母さんの顔にあらっぽくつけて、顔をこすりました。わたしも、お母さんのほっぺたをこすりました。
 そして、お母さんは起きました。そしたら、お父さんがハンカチで、顔のクリームをとりました。
 お父さんは、じょうだんで
 「こんど生まれかわるときは、もっといいお金持ちとけっこんしいや」
 と、いいました。
 すると、お母さんは、ちょっぴりだけ泣きました。わたしも泣いてしまいました。

 「今こそ作文の出番や」

 はつらつとした表情でそう語る「なにわ作文の会」の会長、土佐いく子さん(75)と出会ったのは1年半ほど前だった。

 2022年秋、ひょんなことから会の存在を知った私(記者)は、週末に大阪市内で開かれた勉強会に足を運んだ。発足は1955年。歴史が古い上に、休日返上で参加するのはきっと年配者が中心だろうと勝手に思っていた。しかし会場の貸会議室に入ると、約20人の参加者の大半が若手から中堅の小学校教師で、その活気に驚いた。そこに土佐さんもいた。

「なにわ作文の会」会長の土佐いく子さん=大阪府内で2024年2月6日、柳楽未来撮影

 勉強会は月1回、土曜日に開催され、発表者を決めて、担任するクラスの子どもが書いた作文を紹介するのだという。

 「書きたいことを、書きたいだけ、書きたいように」。なにわ作文の会がずっと貫いている原則だ。テーマは自由。原稿用紙に何枚でも書いていいし、1行だけでも全く問題ない。作文の会の教師たちは、国語の時間などを利用して、子どもに自由に作文を書いてもらい、学級通信などに載せてクラスで読み合う取り組みを続けている。

 紹介された作文は、いわゆる教科書に出ているような模範的なものではなかった。友達や家族との日常の一場面が、飾らない言葉でつづられている。中には、悩みや苦しい胸の内をさらけ出すような内容の作品もあり、どれも子どもの姿が見えてくるようだった。

 さらに印象的だったのは、勉強会の主題が、作文の書き方、教え方ではなく、教師が作文を「どう読むか」だったことだ。表現の上手下手は気にしない。その子はなぜそのような作文を書けたのか、作文の背景にある子どもの心の動きや暮らしとは--。会場に子どもはいなかったが、議論の中心にはずっと子どもの存在があった。

 土佐さんは、大阪市立小学校の教師になった半世紀以上前から、ずっと作文教育に取り組んできた。

 子どもたちに自由に作文を書いてもらう。それらを載せた学級通信を毎日つくり、クラスで読み合う。保護者にも読んでもらう。作文を中心に据えてクラスを運営し、子どもを深く理解しようとしてきた。

 冒頭の「お母さんのこと」は、土佐さんが中堅にさしかかったころに担任した子どもの作文だ。けなげな暮らしの一場面が、自らの言葉で丁寧につづられている。

 クラスで読むと、普段はにぎやかな子どもも静かに耳を傾けた。「実はうちもな……」と、自分のことを話し出す子もいたという。「書く、読む、お互いを知る。そうすると人と人が言葉でつながる。ほんまの自分をさらけ出してもいいと思える。作文をやっていると、言葉が実に豊かになるのよ」

 このような作文教育の源流は、戦前に農村で始まった「生活綴方(つづりかた)教育」だ。子どもが生活を見つめ、自らの言葉でつづる教育法だが、自由な教育が認められなかった戦時は弾圧を受けた。戦後間もなく、山形県の山村にある中学校に赴任した無着成恭(むちゃくせいきょう)さん(23年に96歳で死去)が授業に取り入れた。生徒たちが厳しい農村の生活を率直な言葉でつづった文集「山びこ学校」(51年)は、ベストセラーになった。

 現在は、なにわ作文の会のようなサークルが各地で活動し、全国組織の「日本作文の会」もある。しかし、98年に小中学校の学習指導要領から「作文」の表記が消えたこともあり、作文を授業に取り入れる学校は減っているという。

 学校の先生を取り巻く環境は、厳しさを増している。長時間労働に加えて、いじめや不登校、保護者からの要望や苦情への対応。公立小学校の教員採用試験の競争倍率は22年度に2・3倍にまで減り、5年連続で過去最低となった。

 そんな中で、若手、中堅の教師たちは休日返上で、勉強会に参加している。会が始まるときは、前日までの疲れを残した表情の参加者もいたが、終わるころには本来の生気を取り戻しているように見えた。

 「こんな大変な時代でも、子どもは子どもの心を失わずに生きている。そんな子どもの表現を、しっかりと受け止めたいと思うわ。子どもって、おもろいで」

 活発な意見交換が続く中、土佐さんの発する言葉は特に熱を帯びていた。

 なぜ今、作文の出番なのか。私はそれからも何度か勉強会に通い、知り合った教師たちから話を聞いていった。そこには、作文を通して子どもを深く知ろうと奮闘する先生たちの姿があった。そして、その先には子どもたちの豊かな言葉があった。【柳楽未来】

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