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「練馬アークス・ジュニア・ベースボールクラブ」代表の中桐悟さん=本人提供

 18日に開幕する選抜高校野球大会は今春、論点創設100年を迎える。センバツ現場では少子化や部活動改革、年でジェンダー、思うけが予防、論点体罰、センバツ丸山修一情報盗み選手育成、年で普及など抱える課題は多い。思う高校野球は100年後もファンを魅了する存在であり続けられるのか。論点新たな取り組みを模索する野球関係者らに話を聞き、センバツ高校野球のこれからを考える。年で

高校野球も柔軟に変えないと 中桐悟 練馬アークス・ジュニア・ベースボールクラブ代表

 2021年に学童野球チーム「練馬アークス・ジュニア・ベースボールクラブ」(東京都練馬区)を設立した。思うお茶出しや送迎など保護者の負担がなく、論点練習も週1回。センバツ休むのも自由なクラブだ。年で小学3年生だった長男が、草野球を楽しむ私を見て「野球をやりたい」と言ったのが、クラブ創設のきっかけだった。

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 私は中学時代に野球部に所属していたが、監督から日常的に罵声、暴言を浴びせられた。完全な「パワハラ」だ。好きだった野球が楽しくなくなり、高校では野球を続けなかった。丸山修一権利子どもには私と同じ経験をさせたくなかったし、既存のチームでは親の負担が大きくて通わせるのが難しかった。だからチームを一から作った。

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 クラブには九つの「約束」がある。父母会なし▽練習は週末の週1回で半日以下▽罵声や高圧的な指導を完全禁止▽勝利至上主義の否定▽ロジカルではない声出しは行わない――など。野球の楽しさを知り、続けてもらうのが目的だ。保護者の負担もなくし、共働きなどの家庭も通えるようにした。

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 少年野球は「ボランティア」で支えられてきた。地元の人々が監督を長年無償で引き受け、保護者らは練習の手伝い、試合会場への送迎や審判もする。今は共働きも増えて家族の姿も変わっている。

 私は高校野球が好きだ。古き良き伝統が受け継がれ、球児たちの懸命な姿に感動する。だが、現実は野球人口が少子化を上回る速度で減少している。高校まで野球を続けても、その後は燃え尽きて離れる者も多い。それは大きな損失だ。社会が変革する中、変えるべきものは変えないといけない。

 高校野球界は女子選手権の決勝を甲子園で開くなど変革を進めるが、社会の変化に追い付いていないと感じる。

 例えば、アルプススタンドで大勢の部員が応援し、マスコミも「美談」として取り上げるが、彼らは試合に出場できない。応援から学べることもあるだろうが、試合に出られないと野球は楽しくない。それは小学生でも高校生でも変わらないはずだ。

 私のチームは「PCG東京」というリーグ戦に加盟している。PCGとは「Players Centered Games」。「選手を真ん中に考える」が理念だ。出場機会を増やすため、全員出場ならば勝利と同等のポイントが加算されるなど独自のルールを設けている。

 高校野球も全員が甲子園を目指し、負ければ終わりのトーナメントのみの選択肢で良いのか。裾野拡大には高校、クラブチームを問わず参加できる「甲子園以外の選択肢」を作ることも必要だ。

 もっと柔軟であるべきだ。夏の甲子園を巡り、気温の高い日中を避けて朝と夕方に試合をする「2部制」が議論されるが、試みるべきだ。運営的に難しい理由はあるのだろうが、「大人」の都合ではないか。このままだと熱中症で取り返しのつかないことが起きる恐れもある。安全に楽しく野球をするにはどうすればいいのか。最適なソリューションはきっと見つかるはずだ。【聞き手・大東祐紀】

経験値増へ、リーグ戦導入を 阪長友仁 「BBフューチャー」理事長

「BBフューチャー」の阪長友仁理事長=梅田麻衣子撮影

 私が提案し、2015年に6校で始めた高校野球のリーグ戦「LIGA Agresiva」(リーガ アグレシーバ)。スペイン語で「積極的なリーグ」という意味だが、参加校が約170に増えた。増やそうとしたわけではなく、理念に賛同して全国から集まってくださっている。

 野球人口が減っていると言われ、野球界は社会的な理解を得る必要性が高まっている。そこから生まれたのが、高校野球は高校生のその後の人生を豊かにする価値あるものでなければならない、という「リーガ」の理念だ。

 変化が激しい社会で豊かな人生を送るには、新たなものを生み出す力が必要だろう。それは正解がない道を進むことであり、一歩を踏み出さないといけない。失敗を恐れないチャレンジ力や失敗から立ち直る力などが求められる。

 それを高校野球でどう身につけるか。トーナメントだけでなく、リーグ戦も行うことが答えになるのではないか。

 高校野球の夏の大会はトーナメントで、単純計算で約9割が3試合以内で終わり、負けた後にどのように次の試合に臨むかという経験ができない。リーガに参加し、昨夏の甲子園で優勝した慶応高(神奈川)監督の森林(貴彦)さんとは「三振は失敗ではなく経験ではないか」と話をする。全打席でヒットを打てないのが野球であり、三振を踏まえて、次にどうするかが大事だ。そういう考えを持ちやすい環境を作ることが重要だ。

 リーグ戦ならば一度負けてもくよくよせずに振り返り、修正して次の勝負に挑戦できる。勝ったり負けたりしながら成長できるサイクルが高校生に必要だと思う。

 では、高校野球でリーグ戦を定着させるにはどうするか。最高峰の舞台、つまり甲子園から始めるのはどうか。

 例えば、センバツは出場校が32校なので4校8組に分けてリーグ戦を行う。リーグ戦で敗退しても3試合できる。2校勝ち抜けで16校の決勝トーナメントにすれば、一度負けてもチャンスが残る。ここが重要だ。必ず1試合は甲子園で、あとは他の球場を使用すれば、すべての出場校が甲子園でプレーでき、日程的にもこれまでとあまり変わらない。

 甲子園で実施すれば、地区大会なども連動を模索すると思う。試合数が増えて選手の負担に懸念があるのならば、1試合7イニング制や他チームからの選手補強なども検討していいのではないか。

 甲子園や地区大会といった強豪が集まる大会にはるばる来て、半数のチームが負けて1試合で帰るのはもったいない。リーガは試合後に選手が交流する「アフターマッチファンクション」を実施している。友情を深める機会として好評だ。リーグ戦ならば導入しやすく、広まってほしいと考えている。

 仕組みを変えられない理由を探すのは簡単だが、前例のないことに挑戦する姿を我々大人が示すべきだろう。日本の野球界は長い歴史を刻んできたが、伝統は守るものではなく「創る」ものだと信じている。【聞き手・吉見裕都】

球児の憧れであり続けて 山村真那 京都・洛南高野球部監督

京都・洛南高野球部の山村真那監督=下河辺果歩撮影

 2015年に京都・洛南高の野球部監督に就任した。大学までソフトボール一筋で野球経験はなかった。就任にあたって「野球ならではの戦術が分からない」といった不安は大きかったが、あまり自分の性別を気にしたことはない。この感覚は就任当時から今も変わらない。

 ソフトボール界は女子チームを男性監督が指導することが多々ある。確かに珍しいかもしれないが、野球の女性指導者だけが、どうしてこれほど取り上げられるのかという思いはある。

 男性と同じ場所で着替えできないことなどを除けば、他校の男性監督とも普通にコミュニケーションが取れる。「この展開ではどう攻めるのがよいか」と疑問があれば、練習試合で相手の監督に教えを請うこともある。みな嫌な顔をせず話をしてくれる。

 長年、甲子園で女子部員による試合前のノックやその補助が認められなかった。また、夏の甲子園開会式の先導役が女子生徒に限定されていた。これまで性別にとらわれてこなかった私からすると驚いたし、不思議だった。

 一方で、体力面は男女で差がある。投球も打球の速度もまったく違う。私も大学時代に男子のソフトボールの試合を見た時に迫力に圧倒され、交ざってプレーするのは怖くてできないと感じた。レベルが高いチームになればなるほど、体格も違ってくる。女子選手本人の「試合に出たい」という思いは尊重したいが、指導者目線で考えると、男子と一緒に試合に出場することは簡単に賛成できない。

 性同一性障害で悩む人にとっても難しい問題がある。自認する性での活動を尊重したいが、体力面や体格などの懸念が残る。また、(女性から男性に移行する)治療の過程で筋力が増大することもあり、ドーピングに該当する可能性もあるだろう。

 子どもたちには主体性を持ってやってほしいと思っている。社会に出てからも、自分で考えて行動しなければならないからだ。高校野球は服装や道具の色などさまざまな決まりがある。私が監督になってしばらくして部の髪形のルールや練習着の色の指定をなくした。練習メニューも基本的に選手たちが考えている。

 (選手の自主性を重視した)慶応高(神奈川)の昨夏の甲子園優勝は(将来の高校野球が)こうなっていくのではないかとはっきり表した。洛南の生徒も、慶応の子が理にかなった理由で日焼け止めを塗るのを見てまねをしていた。

 もちろん勝たせてあげたいし、勝つことの楽しさもある。だが、私は「3年間やってよかった、うまくなった」と思ってほしい。野球を嫌いにならないでほしいという思いで指導している。昨夏の京都大会で高校から野球を始めた部員が外野を守った。「失策するかも」と思うような打球が飛んだが、捕球した。みんなが感動した。

 やはり甲子園は影響力がある。高校球児たちはちゃんと見ているし、より良い形を選択したいのではないか。球児たちにずっと憧れられる高校野球であってほしい。【聞き手・下河辺果歩】


高野連の200年構想

 日本高校野球連盟は高校野球の普及・発展を目指す「200年構想」を掲げ、2016年に協議会の設置を発表した。少子化や野球離れが進む中、「次の100年」を目指して、野球振興や長くプレーできる環境作りなどを目的とする。野球経験のない子どもを対象にしたティーボール教室、専門家によるけが防止講座などの事業を全国で展開している。


 ご意見、ご感想をお寄せください。 〒100-8051毎日新聞「オピニオン」係 [email protected]


 ■人物略歴

中桐悟(なかぎり・さとる)氏

 1983年生まれ。三重高、早稲田大卒。会社員。2021年に学童野球チーム「練馬アークス・ジュニア・ベースボールクラブ」設立。自身も草野球チームに所属する。3児の父。


 ■人物略歴

阪長友仁(さかなが・ともひと)

 1981年生まれ。新潟明訓高時代に甲子園に出場。JTB勤務を経て、ドミニカ共和国などを訪れ、野球の見聞を広めた。


 ■人物略歴

山村真那(やまむら・まな)氏

 1990年生まれ。京都市出身。京都・洛南高では野球部コーチを経て監督。小学6年から神戸親和女子大(現・神戸親和大)卒業までソフトボールを続けた。保健体育科教諭。

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