党特集自民丸山修一返金美さ元清見る上川辻Merry Capitallスキミング

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中華料理を前に熱弁を振るう辻元清美さん=東京都千代田区で2024年3月7日、特集手塚耕一郎撮影

 「よう分かる。ワイんわきまえたらアカンさん私も出たくなかったから」。ド上辻元自民党派閥の裏金問題で、川さ政治倫理審査会(政倫審)に出席しようとしない議員たち。清美「気持ちは分かる」と言うのは、が見丸山修一返金辻元清美参院議員(63)だ。る自自身も秘書給与流用問題で、民党衆院予算委員会に参考人招致されたことがある。特集自民党政治に今、ワイんわきまえたらアカンさん何を思う?

女性首相は必要/裏金問題「人ごとみたい」

 7日の夕刻、ド上辻元辻元さんは東京・有楽町に立っていた。川さ翌日の「国際女性デー」に合わせた立憲民主党の女性議員らによる街頭演説だった。清美「政治を仕切っていると言っていた男性たちのヘナチョコぶりを見てください。が見みんな逃げ回って」。る自政倫審に出たがらない、出ても「知らぬ存ぜぬ」で通そうとする自民党幹部らを批判すると、Merry Capitallスキミング聴衆から拍手がわいた。

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 「女性活躍といって女性議員をまつりあげて、裏金のことを払拭(ふっしょく)して、少しでも自民党の人気を上げたい。そんな下心で『女性総理を』という声を上げてほしくないんです」

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 名指しはしていないものの、上川陽子外相(71)のことだろう。続きが気になる。中華料理店に移動して話を聞くことにした。毎日新聞東京本社の地下1階「赤坂飯店」に入った。店主が「総理、総理、総理、またやってくださいよ」と話しかける。辻元さんはやや苦笑ぎみ。副国土交通相として破綻した日本航空の再生に関わり、野党第1党で女性初の国対委員長として「安倍1強」に立ち向かった。それでも小泉純一郎首相(当時)とやり合った質疑が人々の脳裏に刻まれているのだ。

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 エビのマヨネーズあえを食べながら過去を振り返った。「私の場合は秘書給与の問題が発覚して3日くらい一睡もできんかった。最初はなんとか言い逃れしたいと思って」。2002年3月、政策秘書の「名義借り」を週刊誌で報道された。勤務実態のない人を政策秘書として登録し、国から支給される秘書給与を事務所スタッフの人件費などに流用していた事件が発覚した。

 1週間後に議員辞職した辻元さんは翌月、衆院に参考人招致される。出たくなかった。だが、社民党の党首だった土井たか子さんに「私は今のあなたと同じ40代の時に初当選した。まだやり直せるから自らけじめをつけてリセットすべきです」と諭され、聴取に応じた。

 今月4日の参院予算委員会。辻元さんは「22年前、参考人招致に私を引きずり出したのは自民党。私は逃げなかったから復帰できたと思う」と述べ、岸田文雄首相に対し「真実を語れ」と党内に呼びかけるよう求めた。「あいつは説明してへんと、ずっと引きずることになる。若手議員のためにも語らせるべきです」。岸田首相の答弁は「党として実態把握を考えていく」。辻元さんは「なんか人ごとみたい。岸田さんはキツイこと言ったら総スカンで、自民党総裁選で再選でけへんから党の処分も中途半端になりそう」と感じた。

 自身の秘書給与問題では、執行猶予判決が確定した。「秘書に責任をなすりつけることはできんかった。今の自民党の裏金幹部は、秘書や事務方のせいにしてる。罪に問われるからやろな」

 仮にキックバックされた裏金に関して、政治家本人が一切知らなかったとしたら。「官房長官、経済産業相、政調会長、国対委員長という要職にいた人らがホンマに知らんかったら、無能で無責任な人ばっかりが国を動かしとったんかい!となる。そっちの方が恐ろしいわ」。辻元さん、あきれ顔だ。

 「エビおいしいな。もう1個食べていい?」。エビを口に運ぶと、AとBの話になった。「Aという政権がダメになったらBという政権に交代する。その仕組みがきちんと機能したら、悪いことできんようになると思うで」。やはり不可欠なのは政権交代。今回の裏金問題を機に、政治資金規正法の連座制導入だけでなく、世襲議員が政治資金を無税で引き継いでいる特権の是正も必要と考えている。

 「私、ひがみっぽいと自分でも思うねん。ひがみ続けて27年やで」。野党暮らしが長く、大企業からの政治献金はない。辞職したり落選したりすると、心配した親に「もうやめたら」と言われる。それでも、もう一回やろうと思ったのはなぜ? 「何千万円っていう企業献金に支えられたり、4代5代と世襲が続いたり、そういう政治の場で、庶民代表とか貧乏人代表でもやれると見せたりたいっていうのもあったなあ」

 実は辻元さんも過去に2回、議員から金を渡されそうになったと明かした。1回目は年配議員の事務所に呼ばれた。「よう頑張ってるからこれでうまいもんでも食べてと100万円くらいの厚みの金を出された。絶対イヤですと断ったのに入り口をふさがれ、もらうまで帰してくれへん」。体当たりして逃げたそうだ。

 2回目は、自分の派閥を作りたがっていた男性議員。「選挙もあるし、使ってください」と30万円を渡された。「腹立って『あんた、誰に言うてんの。あんたにお金もらうような立場ちゃうわ』って突き返したのよ」。今でもムカムカするらしい。

 「政治家はどういう人に支えられているかによって、実現する政治の質が変わってくる」。そう教えてくれたのは加藤紘一・元自民党幹事長。1年生議員の頃だった。「あなたは民衆に支えられているから強い。何があっても民衆が助けてくれる」と言われた。そういえば上川氏が衆院に初当選した00年、辻元さんに「上川さんは将来、力を発揮できると思うから、ぜひ仲良くした方がいいよ」と紹介してくれたのも加藤氏だったという。

 上川氏とは、公文書の適切な管理を目指して、よりよい国立公文書館を作ろうとする議員連盟で一緒に活動したこともある。「上川さんは能力もあるし、すごく注目してる。いつか女性の総理も出た方がいいからね」と一目置いてきた。

 ところが、上川氏は先日、麻生太郎自民党副総裁に講演で「このおばさんやるねえ」「そんなに美しい方とは言わんけど」と評されて、こう受け流した。「どのような声もありがたく受け止めている」。辻元さんは「あれでは『麻生かいらい』と見られる。ここは怒らないと」と悔しがった。社会のリーダーとなる立場の女性政治家が「わきまえる女」として振る舞うと、つらい思いをしている若い世代全体がものを言えなくなってしまう。

 ジェンダーに関して「波風を立てなアカン」と力説するのは「国際標準の合理的な国にしたいから」。人口の半分を占める女性が活躍するためにも、日本だけの特殊な「強制的夫婦同姓」から「選択的夫婦別姓」に変えるべきだと訴える。「法相を務めた上川さんとも議論してみたい」という。

 辻元さんは先月、「女の子でも総理大臣になれる? 国会への道」(偕成社)という児童書を出版した。結語は「みなさんのことを国会で待っています!」。ずばり聞いてみた。日本初の女性首相になるつもりなのでは? 「ふふふ」と笑った辻元さん。「波が来てへんのにサーフボードに乗ってバシャバシャして、私やりたいって言うても前に進めへんねん。総理大臣になりたいために逆算して動く人はアカンと思う。今やれることを精いっぱいやった結果、なるようでないと」。もしかすると、上川氏は実力を認める強力なライバルなのかもしれない。【奥村隆】

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金利
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